H31年度税制改正に関する建議書

佐倉市で税理士事務所を開業している若手税理士の中村裕史です。

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

日税連は税理士法の規定に基づき「税務行政その他の租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる」とされています。今回はその内容について報告いたします。

重要項目

①消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持・・・事務負担の増加、逆進性対策としては非効率であることから、単一税率とし逆進性対策として他の給付措置で対応すべき。またインボイス方式の以降は現状の請求書に一定事項を追加することにより対応すべき
②人的控除のシフト・・・給与所得控除、公的年金等控除を縮減し、扶養控除、配偶者(特別)控除、基礎控除等の人的控除等にシフトすべき
③償却資産に係る固定資産税制度の見直し・・・課税客体の補足が困難、事務手続きの負担等の問題から今後解決する必要がある。
期日☞現行法又は申告期限の選択
方式☞税額確定方式でなく申告納税方式に
免税☞現状150万円から300万円に増額
残存価額☞廃止
措法の適用☞30万円未満は費用化
課税標準☞国税との統一

所得税関係

①医療費控除の見直し・・・医療保険制度の充実や医療保険の充実により、必要性が薄くなったため廃止又は、総所得金額の5%を超える部分の金額を控除すべき
②寡婦控除の見直し・・・寡婦と寡夫について制度の統一化、また事実婚についても新たな税制上の手当てが必要
③年少扶養控除の復活・・・児童手当では所得制限があるため、所得制限の廃止又は年少扶養控除の復活
④専従者に対する必要経費の拡充・・・現状給与のみ認められる必要経費を報酬、地代、家賃等広く拡充(法人税制との均衡との観点)

中小法人税制

①業績連動給与の導入・・・上場会社以外にも広く活用すべき
②減価償却の方法・・・今後定率法に一本化ではなく投下資本の早期回収、設備投資意欲の減退を防ぐため選択制にすべき

法人税

①役員報酬損金不算入の見直し・・・損金算入要件を規定するのでなく損金不算入要件を規定し、柔軟な制度とすべき
②退職給付、賞与引当金の損金算入・・・労働協約や就業規則により退職金(賞与)規定が定めらている場合等将来の支給される蓋然性が高く、確定債務的な要素がある引当金計上については損金算入を認めるべき
③個別評価引当金の損金算入額・・・破産手続き開始等の申し立ての場合に一律50%でなく平均的な配当率を用いるべきである
④少額減価償却資産の取得価額・・・現状10万円未満となっているものを30万円未満とし他の制度と一本化すべき
⑤交際費について・・・慶弔費等については交際費の範囲から除外すべき

消費税

①非課税の範囲・・・現状「税制上の性格からなじまない」「社会政策的配慮」の2点から非課税となっているが、後者については課税取引にすべきである。
②簡易課税制度・・・みなし仕入れ率の引き下げと一定の設備投資については、別枠での対処をすべきである。
③95%ルール適用緩和・・・非課税割合だけでなく、非課税金額も判定に入れるべき
④免税事業者の廃止・・・すべて課税事業者とし、一定規模については申告不要とすべき

相続税・贈与税

①非上場株式評価・・・3年以内土地建物についても通常評価にすること、特殊な評価方法の見直し、種類株式の評価方法の見直し、配当金額は評価額に反映しない等の検討が必要
②連帯納付義務・・・申告期限から5年経過した場合時効消滅するが、連帯納付義務制度自体の廃止を検討すべき

地方税

①均等割の統一・・・法人の場合、2以上の都道府県に事務所があっても1の事務所に均等割りが課されるのに対し、個人の場合2か所に均等割りが課せられるため1か所にすべき

その他

①電子申告の位置づけ・・・現状税法は申告をベースとして作成されているが、今後電子申告をベースとした抜本的な見直しが必要である
②システム面の対応・・・インターネット環境の整備やセキュリティ等の検討
③電子帳簿保存方式・・・電子帳簿を普及させるための負担軽減措置を図る
④システム障害・・・地方税についてもシステム障害児に期限延長を明文化する必要がある
⑤マイナポータルとの連携・・・e-tax、el-taxとの連携を図る
⑥代理送信・・・電子申告時に資格証明書も送信を義務付ける
⑦仮想通貨取引・・・納税者の利便性の向上、諸外国と連携し必要な対応を進めるべきである

外国税制

①外税控除の繰越期間・・・現状3年となっている期間を延長すべきである

災害対応税制

①災害損失控除・・・現状雑損控除があるが効果は限定的であるため、災害損失控除を新しく創設すべき。繰越期間は10年以上、控除順位は最後で、繰戻しも認めるべき

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