利益感度分析(前編)
佐倉市で税理士事務所を開業している若手税理士の中村裕史です。
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利益感度分析とは
利益感度分析とは価格・数量・変動費・固定費から利益に与える影響度を数値化したものです。利益感度分析により今後の利益を出していくための会社の方向性を決める1つの参考資料となります。もちろん利益感度分析は日々の正しい帳簿から導き出していくものです。過去の情報を将来に生かす、これが未来会計であり、そのために財務分析をします。
利益感度分析の仕方
上記のようにボックス図を描いてみるとわかりやすくなります。
まず利益感度分析をするには価格・数量・変動費・固定費の損益分岐点を求める必要があります。
利益を求めるには・・・PQ△VQ△F=Gとなります。
損益分岐点というのは、利益がゼロとなる場合の価格・数量・変動費・固定費の金額となります。
価格Pの損益分岐点はPQ=VQ+Fとなりますので、P=(VQ+F)/Q
数字を入れてみるとP=(500+400)/10=90の時に利益がゼロとなります。
同様に数量Qの損益分岐点は(PQ△VQ)=F☞(P△V)Q=FとなりますのでQ=F/(P△V)
数字を入れてみるとQ=400/(100△50)=8個販売したら利益がゼロになります。
同様に変動費Vの損益分岐点はVQ=PQ△FとなりますのでV=(PQ△F)/Q
数字を入れてみるとV=(1,000△400)/10=60の場合利益がゼロとなります。
同様に固定費Fの損益分岐点はF=PQ△VQ
数字を入れてみるとF=1,000△500=500の場合利益がゼロとなります。
上記各要素の損益分岐点が求められましたら次は実際の価額との比較をおこないます。
損益分岐点価格90に対し実際の価格は100であるから(100△90)/100=0.1☞10%割引したら利益ゼロとなります。
数量は(10△8)/10=0.2☞20%、変動費は(60△50)/50=0.2☞20%、固定費は(500△400)/400=0.25☞25%となります。
上記割合が低い方が利益に直接影響する(例:価格は10%下落で利益がなくなるのに対し数量は20%減少したら利益がなくなるつまり価格1%下落と数量1%減少では、価格1%下落する方が利益は減少することがわかる)ので、価格<数量=変動費<固定費となります。価格を上げることが利益を効率よく上げられ、固定費は逆に利益効率は良くないことがわかります。
次回は利益感度分析の簡便的な算出方法と分析方法をお伝えします。